#氷雪のシアタールーム

映画の感想とか日常の記録とか

『THE BATMAN』感想:2年目バットマンよちよちバブバブ映画(ネタバレあり)

10日のDolby Cinema前夜上映と11日に字幕IMAX・吹替で鑑賞。続けざまに3回観てもずっと味がする……。

真面目な感想はいろんなところで言われているのでわざわざわたしが言うものでもないかと思いますが、とにかく『原作寄り』のバットマンだったなと思います。ていうかほぼ『イヤーワン/イヤーツー』と『ロング・ハロウィーン』だった。これとあと『エゴ』が元ネタと聞いて久しぶりに邦訳を買って読んで臨んだのですが、結構オマージュというかコミックそのままな展開が多かったのでその辺は下の方に備忘録がてらまとめておきます。

 

以下キモオタ感想。ネタバレありまくり。

バットマン2年目のブルース、詰めが甘くてあの異常なまでの用意周到さが無くてまだ人間やめてないな……って感じの感慨深さあり、かなりバブちゃんやんけという薄暗い喜びあり。これから大きく育っていくのだぞ……と保護者の気持ちになれるバットマンだね。オリジンではなくベテランでもない、実写では今までになかった立ち位置を描いていたのが良かった。

パティンソンのバッツは本当に生きるのがつらそうでずっと顔が青白くて何もしてないのに具合が悪そうで儚くて最高!ベンアフバッツ初めて見たときも世界に絶望してるな〜と思ったけど、もっと生死のギリギリ、ていうか一度死んだまま生きている感じだった。伏し目がちでまつ毛が長くて声も小さくてお人形さんのようだったな。あと唇が薄くて色白だから桜色が目立って白雪姫でもあった。(もうめちゃくちゃ)

バットマンって作中でも言われている通り悪への復讐のためにヒーローになった男で人助けをしたかったわけではないので、泥にまみれて人命救助をするのってかなり珍しいなと思ったんだけど(実際実写映画では悪が絡まない人助けのシーンってあんまり無いと思う)それはもうこの分断の時代に必要なヒーローとして描かれていたということなんだと思った。光の下に出てきて献身的に人を救うなんてかなりスーパーマンぽくないですか?やっぱりスーパーマンという存在ってバットマンの考える理想のヒーローの姿でえ……World's finestってそこが尊くてえ……オタクの考えすぎ?そうか……。

警察署の屋上に出てワァ!からのムササビスーツ、そしてパラシュート引っ掛かりバス天井打ちつけられアスファルトゴロゴロからのすました顔でシグナル合流の流れかなり面白かった。いや足ひきずってたよね!?あのシーン別に笑いどころではないんだけどアチャチャンすぎてかわいくて笑ってしまった。合流のときはちゃんとマント新調してたのもおもしろポイントが高い。

あと銃に普通に向かっていきすぎ。スーツがかなり鎧っぽいから納得感はあるけど、にしても防弾性能への信頼度がすごいな!最後ショットガンで撃たれてひっくり返ってたの笑ってしまった。マイケル・マイヤーズかよ!

あと細かい萌えポイント。序盤で普通のTシャツ着てたところ。そのあと朝日見てうおっまぶしみたいな顔してたところ。サングラスするし。アルフレッドが病院に運び込まれたあと多分ものすごい頑張って寝起き風を装って警察に対応してたところ。マントを靡かせてバイクに乗るのはかなりかっこいいけど巻き込みがめちゃこわい。ラストの灯りを手に市民を先導するところは戦乙女だった。

なぞなぞに爆速で答えを出すところもよかった。かちこいでちゅね〜♡さっすが世界最高の探偵(予定)だね〜♡になってしまった。マジな話賢さってバットマンの強力な武器のひとつだと思っているので……。

ところで実写のバットマンってカウル越しにまつ毛が見えるイメージあんまりなかったんだけどパティンソンバッツは斜め45度を向いたときかならずまつ毛がここにいますよ!って主張しててかなり良かった。まつ毛が好きなので。カウルの構造もあるだろうけどこれはおパティンソンのまつ毛が50メートルあるからでしょうね(名推理)

警官に囲まれて目が覚めてなに!?ヤダ触んないで!って暴れてたところかなりプリンセスだったな。あそこ本当に好き。それはそれとして普通に一般人の間に埋もれる体型なのめちゃかわいいんだよな。(ベンアフが誰と並んでも縦も横も一回りデカいぬりかべだったので余計に)あとこんなにアメコミヒーローのコスチュームに見慣れた今でも画面見てるとバットマンの存在が超浮いてて普通にコスプレの変質者に見えるところすごい。今回も壁の隅張り付きムーブが人外みたいでよかった。マズルフラッシュだけで動きがわかるアクションシーンすごかった。

あとセリーナのカメラ越しにセリーナを見る男たちの視点を見たとき「なあにこの視線。。ヘンだょ。。ほゆゅ。。」みたいなこと言ってましたけどブルースとしてファルコーニに会いに行ったときも結構同じような目で見られてましたよ!と思いました。あの美貌で他人の下賤な視点わかんねえことあるか!?おぼっちゃまがよ!(萌え~)

 

セリーナとのロマンス、なんかめっちゃ……めっちゃエロくなかった?最初の市長邸で後ろから口塞ぐところとかエ、エロすぎる……と思ってしまった。なんかわからんけど異様にセクシャル。パティンソンとクラヴィッツふたりの見目の影響もあるかもしれない。おパティンソンブルース、一般人の中にいるときはそんなにぶっ飛んでデカいようには見えないんだけどセリーナと並ぶと装備ゴツいのもあって一回りデカいのがエロでしたね。

まあキスシーンとかはえ???とはなったんですけど。キャットウーマンって原作のド定番ヒロインだし特に描写は無くてもバットマンと惹かれ合うもんってことでみんな分かってるっしょ?ってこと!?言いたい事は分かるけど分かんねえよ。

それかキャットウーマンって突然現れて現場をひっかきまわして去っていく掴みどころの無いキャラクターだからこの急な感じもキャットウーマンっぽいっしょ?ってことかなとも思ったのですが、今作ではまだそういう位置づけにはなっていない人間としてのセリーナ・カイルだったからその線も納得いかず。描いてくれそこを。最近ではだいぶ珍しいよこんな唐突なロマンスを入れる大作映画。

それはそれとしてねこちゃんは本当にかわいい。最後セリーナが母親の墓参りをしてるシーン、大音量でねこちゃんゴロゴロが聞けるのであそこのためにも映画館で観たほうがいい映画。いぬちゃんもかわいい映画ですがあれは保護してあげてほしいと思った普通に。

 

バットモービルヤバすぎ。地を這うようなエンジン音からのカーチェイスの終わりまで何もかもやりすぎなのが超良くてかなりヘラヘラしながら見てました(良すぎるあまり謎の笑いがこみ上げてきた)けどあのエンジン音イキりはなんやねん!いやわかるけどなんやねん。ペンギンちゃんこわがっちゃってんじゃ〜ん!

ペンギンについてですが、コリン・ファレルはマジ大好きラブキッスなのですがあそこまで特殊メイクで顔を隠して体型を変えるならファレルを起用する意味はなんなんだ?ネームバリュー?とか思ってしまう。これはペンギンに限らずすべての過度な特殊メイクを必要とする役どころについて最近思っている。ハウスオブグッチのレトさまとかね。恰幅が近い俳優を探すんじゃいかんのか?いや、まあカーチェイスのところの異様に愛嬌のあるイキり煽りはすごい良かったけどね。それはもうファレル大好きラブキッスだから魅力的なのは分かるよ。

バットマンとゴードンに縛り上げられて置いてくな〜!ってよちよちしてたところはペンギンぽさアピール?かわいいね。ふたりに詰められても渾身のスペイン語煽り、吹替だとバーカ!つってて小学生みたいでよかった。てか吹替のペンギンまじでよかった。全体的に小物っぽくて。あと工場で襲撃されたときのギャング撃ち(銃を横に倒して撃つやつ)も好きだった。

クラブでペンギンを詰めたとき「お前俺の評判知ってんだろ!」と言われたバットマンが「俺は聞いてる、お前はどうだ?」と返しますがそこが原語だと"I do. Do you?"になっていてその簡潔さがどうにもキュン…でした。謎ツボ。てか今回のバットマン一人称が「俺」だよね。ブルースのときは「私」だったと思う。珍しいなと思って。若さを感じる。

ゴードン、初手同伴出勤でやるじゃんとなった。でもペンギンのアジトで銃撃戦に参加してくれてたあたりでゴードンが過労死しちゃうよ〜!と思いました。ゴードンの酷使をやめろ!そしてゴードンとのバディ感が強かったのはイヤーワンを感じた。ゴードン大好きだぞ!いつもありがとうな!「手加減しろ!」「した」のところ本当に愛おしさマックス。ぜってーしてねえ。

リドラーについて。なぞなぞおじさんと思ってたら最強の知能犯とか言われててかなり驚いてしまった。こ、誇張広告……!SAWみたいな装置駆使するタイプのヴィランになるとは思わなかったよ……。あとリドラーといえば細長いイメージも強かったのでポール・ダノのふっくらまるまるリドラーは良い意味でかわいかったね。最終的に大物になりきれないところも原作のイメージ通りという感じでよかった。ポール・ダノのアヴェ・マリアもぜったいサントラに入れてほしいよ。(言うほどほしいか?)

ジョーカーについて、1回目見たときまあそうよね~とは思った。イヤーワンもジョーカーからの予告状で終わるし。で、そういえば演者は?と思って調べたらバリー・コーガンで爆笑しながらひっくりかえって死んだ。手加減してくれよ。オタクは死にやすいんだから。バリー・コーガンのジョーカーは強すぎるのでレギュレーション違反だと思います。次回作マジで期待……。

 

作品の作りとして、冒頭が怖くて出だしからいいね~!となる。市長の影に隠れていて市長が移動した瞬間姿が見えるリドラーも、何も見えない暗闇の先に何があるか想像させるのも、完全にホラーの文脈だろ!そしてそこから異様に重い足音で出てくるバットマン。最高。足音何度かクローズアップされてて印象的でしたけど金属音っぽくてよかったよね。

あと劇伴がかなりよくて、やっぱり印象的なテーマ曲が一個あって、劇中はそれをアレンジしたものが流れる構成ってすごい好き。アヴェ・マリアもアレンジされながら流れてて良かった。洋楽ぜんぜん分からないので各所で言われてる「今回のバットマンはカート・コバーンがモデル」は全然ピンとこないですが、Something in the wayはかっこいいですね。

あとエンディングのあとにちょっとだけある映像の最後でURLが映るのですが、調べてみたらリドラーの集めた資料が詰め合わせられたzipがもらえて嬉しかったです!普通に作中のユー・アー・エル…のときにアクセスしたサイトだった。凝ってるね。

『ジョーカーの衝撃は序章に過ぎなかった』の煽りはめっちゃ嫌い。『JOKER』と関係ないっつってんだろ!

あと水害のシーンは結構キツいですね。ツイッターで燃えてやっと公式声明出してたけど、正直もっとちゃんとワーニングするべきだと思う。

 

ところで見ながらずっと思っていたことですが、ベンアフバッツ、斜向かいの豪邸に住んでる熟女人妻で、しがないサラリーマンのおれは毎朝あの人が夫を送り出すときにちょっと顔を見られるだけでその日はなんだかいいことがあるような気になれるんだ……みたいな概念のお姉さんだったのに対して、おパティンソンバッツはバイトから帰ってくる深夜にマンションの入口でたまにすれ違ういつも死にそうな顔してるけどド美人で3個くらい年上っぽい社畜OL(たぶん)みたいな概念のお姉さんだった。どっちも最高やね。